Shopifyは物販だけのツールだと思っていませんか。実はPDFの教材や動画講座、テンプレートなどのデジタル商品も、Shopify公式の無料アプリを使えば追加費用ゼロで販売できます。
配送も在庫管理も発生しないため、個人でも始めやすいのが特徴です。この記事では、デジタル商品を売り始めるまでの手順を、管理画面の実際の流れに沿って6ステップで解説します。
デジタル商品を売る仕組みを先に押さえる
Shopifyでデジタル商品を売る流れは、一言で言えば「通常の商品登録から配送を抜いたもの」です。商品ページを作り、買い手が決済すると、自動でダウンロード用のリンクが送られます。
ここで重要なのが、Shopifyの標準機能だけでは購入後のファイル自動配信ができない点です。そこで使うのが、Shopify公式アプリ「Digital Downloads」(現在は名称が「Digital Products」に変更されています)。
このアプリはShopify自身が開発しており、無料で使えます。商品にPDFやZIPを添付すると、決済完了後に購入者へダウンロードリンクが自動送信されます。ダウンロード回数の上限設定や、有効期限の設定も可能です。
事前に準備する3つのもの
デジタル商品の販売を始める前に、次の3つを用意します。
- Shopifyアカウント:デジタル商品の販売には、オンラインストアが使える「Basic」プラン以上が必要です。Basicは3,650円/月で、最初に3日間の無料トライアルを利用できます。
- 売るファイル本体:PDF・ZIP・動画など。講座ならMP4、資料ならPDFが一般的です。
- 決済方法:後述しますが、Shopify Paymentsを有効にするとクレジットカード決済が使えます。
法人でなく個人事業主・未開業の段階でもアカウントは作れるので、試しながら進めるのが現実的です。
実装手順|6ステップで公開まで進める
ステップ1:商品を登録して配送を無効化
管理画面左の「商品管理」から「商品を追加」を選び、タイトルと価格を入力します。
続いて配送設定の欄で「この商品は配送が必要」のチェックを外してください。これで配送料の設定が外れ、デジタル商品として扱える状態になります。商品説明には、購入後にファイルが何件ダウンロードできるのか、返品の考え方などを明記しておくとトラブルを防げます。
ステップ2:無料アプリ「Digital Products」を導入
管理画面の「アプリ」から、Shopify App Storeで「Digital Products」を検索してインストールします。開発元がShopifyであることを確認してください。インストール時にかかる費用はありません。
ステップ3:商品にファイルを添付
アプリの一覧から該当商品を選び、販売するPDFや動画ファイルをアップロードします。1商品に複数ファイルをまとめて添付できるので、講座を章ごとに分割したPDFをセットで渡すこともできます。
ステップ4:決済方法を設定
「設定」→「支払い」からShopify Paymentsを有効にすると、クレジットカード決済を受け付けられます。日本国内のカード決済手数料は、Basicプランで3.55%です。
Shopify Paymentsが使えないケースでは、外部の決済プロバイダー(PayPalなど)を接続する方法もあります。PayPalは日本国内でもゲスト決済(アカウント未登録でのカード払い)に対応しているため、買い手の離脱を減らせます。
ステップ5:テスト購入で動作確認
公開前に、テストモードで自分自身が購入し、ダウンロードリンクが届くか、ファイルが開けるかを確認します。ここを省くと、公開後に「リンクが来ない」という問い合わせに対応する羽目になります。
ステップ6:ストアを公開
問題なければ、いよいよストアを公開します。公開後もダウンロード回数や期限は商品単位で調整できるので、価格帯に応じて設定を変えるのがおすすめです。
ダウンロードの制限と有効期限を設定する
「Digital Products」アプリでは、1商品ごとにダウンロードの上限回数と有効期限を細かく指定できます。
- 回数制限:1回限り、または複数回(無制限など)から選べます。
- 有効期限:「なし」「購入から24時間」「7日後」などを設定できます。
教材のように「いつでも何度でも見たい」性質のものは無制限、使い切りのテンプレートやチケット形式のものは回数・期限を絞る、という使い分けができます。購入者に渡るリンクはメールで自動送信されるため、あなたが個別に対応する必要はありません。
どんな商品がデジタル販売に向いているか
デジタル商品は「作るのに手間がかかるが、コピーに費用がかからない」ものが向いています。具体例は次のとおりです。
- PDFの教材・テンプレート:ビジネスの型紙、書類のフォーマット、学習ドリル。
- 動画講座:録画済みのレッスンを章ごとにまとめたもの。
- 音声・素材データ:BGM、効果音、写真素材、Web用のテンプレート。
なお、PDF教材を「本」としてAmazonのKindleでも販売したい場合は、もう一つの販路として電子書籍出版があります。手順はKDP出版のやり方完全ガイドで解説しているので、販路を複数持ちたい方はあわせてご覧ください。
一方で、カスタマイズや個別対応を前提にする商品(対面コンサル、オーダーメイド制作など)は、デジタル商品の自動配信の枠に収まりにくいため、別の形で販売する方が向いています。
かかる費用と手数料を整理する
デジタル商品販売で発生する主なコストは、以下の2つです。
- 月額プラン料:デジタル商品の自動配信にはオンラインストア機能が必須のため、Basicプランが基本になります(3,650円/月)。まずは無料トライアルや「月額150円」の初回キャンペーン期間を活用すると負担を抑えられます。
- 決済手数料:Shopify Payments利用でBasicは国内カード3.55%。売れたときだけかかる従量制です。
在庫を抱えるコストがゼロなので、物販と比べて固定費を抑えやすいのが強みです。一方で、販売するデジタルコンテンツを日本の消費者に売る場合、消費税の取り扱いには注意が必要です。金額が大きくなってきたら、税理士などに一度確認しておくと安心です。
よくある失敗と対策
最後に、デジタル商品販売でありがちな失敗を3つ挙げます。
- ファイルが大きすぎる:購入者がダウンロードに失敗します。動画は圧縮するか、ZIPでまとめて1回のダウンロードにすると親切です。
- 返品・キャンセル規定がない:デジタル商品は「返品不可」とする設定が通例ですが、明記しないと購入者と揉めます。商品説明に必ず記載しましょう。
- テスト購入をしない:リンク不達はそのまま機会損失です。公開前のテストは必須です。
デジタル商品販売の次にやること
ここまでの手順で、デジタル商品を販売する土台は整います。あとは集客とリピートの仕組みづくりです。
Shopifyのフッターに表示される「Powered by Shopify」を消して店舗らしさを出すカスタマイズも、「Powered by Shopify」を消す方法で解説しています。ストアの見た目を整えるついでに、あわせて読んでみてください。
さらに売上を伸ばすには、商品ページの説明文や画像を磨き込み、購入後に「次に読むべき教材」を提示する、といった導線づくりが効いてきます。デジタル商品は一度作れば在庫切れが存在しないため、改善の効果が長く残り続けます。
Shopifyの基本操作からストア公開までを体系的に学びたい方は、Shopify 0→1 完全ガイドをご覧ください。デジタル商品に限らず、物販を含めたストア運営の全体像をステップで整理しています。初めての方は、トップページから全体の流れを確認できます。
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